チョイノリ

とにかくシンプルが売りの「チョイノリ」

「チョイノリ」はスズキ製の超がつくほどのシンプルさを持った原付です。

商品名を聞いて、「なんだ原付なんだから“チョイノリ”で当たり前じゃないか」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、このスズキの「チョイノリ」はその想像をはるかに上回る車種です。

まず一番に驚きなのが新車で購入をしてもわずかに6万円代と、一般的なスクーターと比較して1/2~1/3くらいの価格となっています。

こんなに安くていいの?と思うところですが、実物を見て乗ってみればその価格にもある程度納得をすることができます。
というのも普通のスクーターにあるはずの荷物入れスペースなどもなく、それどころか本当に車輪とエンジンしかついていないという必要最低限だけをまとめたという雰囲気となっているからです。

スピードも全開にアクセルを回しても40キロにとどかないくらいで、原付としての法定速度に全力を出しても届かないということになっています。

ただし車体が軽い分めちゃめちゃに燃費性能は高く、76km/Lという驚異的な数字を出しています。

性能については賛否両論

このスズキ「チョイノリ」については実際に購入して乗用してみた人の意見は真っ二つに分かれています。

まず「価格相応」「燃費がよくてお得」「近所に自転車代わりに使用するには便利」というふうな手軽さを高く評価する人がいる一方で、「部品の耐久力が弱くてすぐに壊れる」「いくらなんでも遅すぎ」「荷物も乗らずに使い勝手が悪い」というふうに性能をかなり厳しく批判する声もあります。

しかしこういった意見が二分される車種には熱狂的なファンもつきやすく、最初はネタ感覚で購入をし、自己流でカスタマイズや修理をしながら長距離ドライブや毎日乗りに使用したりする人もたくさんいます。

ある意味かなりマニアな原付ファンをも大満足させてくれる貴重な車種というふうにも言えるでしょう。

そこで気にしたいのが果たして16歳になって始めて購入する原付としてこの「チョイノリ」は適しているかということです。
断言することはできませんが、若干機能面については不安があることから毎日数十キロ単位で乗るという人に対しては微妙なところかと言えます。
反対に街乗りとして限定的に利用をすることとして、せいぜい自宅から数キロ圏内でだけ使うということなら価格も安いしお手頃でおすすめです。

「チョイノリ」のラインナップ

スズキの「チョイノリ」ですが、こちらの車種は現在メーカーより新車販売は行っていません。
過去に販売されたモデルは3つあり、それぞれ2003年、2004年、2006年式の3つとなっています。

基本的には年式が新しくなるほど前モデルの問題点を解決するように機能を改良していますが、取り立てて乗り心地や基本性能に劇的な変化が見られるわけではありません。

チョイノリのよいところは豊富なカラーラインナップにあり、特に初年度の2003年モデルには6種類ものカラーがありました。
中でも人気のカラーとなっているのはオレンジ色で、現在も中古市場でかなりたくさん見かけることができるようになっています。