不快なブレーキの鳴き

異音が起こる原因

最初は静かな音でブレーキができていたのに、いつの間にか高い音で鳴かないとブレーキできないほどになるのはよくあることです。
自転車のように止まれば問題ないと考えて放置してしまいがちですが、数十キロの速さで進むバイクにとってブレーキは命です。

異音が起こる原因と早めの対処をしないと、故障だけではなく事故を起こしてしまいます。
そこで今回は、異音が起こる代表的な原因と対処法を説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

ブレーキパッド

不快なブレーキの鳴きは、ブレーキパッドが主な原因になっています。
ブレーキパッドとは、ブレーキの制動を行う部品であり、タイヤの回転を摩擦で停止する役割を担うほどの重役です。
このブレーキパッドが面取りされていなくて、タイヤと平行になっていないと異音が起こります。
主に新品に交換したとき、ブレーキパッドがタイヤに馴染まないことで起きやすい現象です。

そのため研磨して均等にしなければなりません。
他にも走行中に段差があってブレーキパッドがズレたり、年数を重ねってすり減ったりするときに不快な音が鳴ってしまいます。
消耗品なので定期的に交換するようにしましょう。

ディスクローター

ディスクローターとは別名ブレーキローターと呼ばれ、ブレーキパッドを調整する役割があります。
ブレーキパッドと比べて消耗のスピードは遅く、定期的な交換は不要です。

ただし、ディスクローターに傷が入ると異音が鳴るため、気になる場合は交換する程度のものになります。
交換するパーツが高く、5000円から3万円ほどです。
ダブルディスクだとパーツがさらに必要になるため、大きな出費の覚悟をしてください。

ブレーキキャリパー

ブレーキキャリパーとは、ブレーキパッドのディスクローターを押さえる役割があります。
ブレーキキャリパーにはピストンやオイル・ダストシールなどがあり、汚れや劣化があるとブレーキの異音に繋がるので注意が必要です。

特にピストンにサビがあると動作が鈍くなり、ブレーキパッドがディスクローターに対して常に押し付けられた状態になります。
つまりブレーキしていないのに摩擦の熱が走行するたびに起こり、摩擦熱の気泡によってブレーキが利きにくくなってしまうのです。
これをペーパーロック現象といい、最悪の場合はブレーキがまったく効かなくなることがあるため、早めに専門店に確認してもらいましょう。

ちなみにペーパーロック現象は、頻繁なブレーキ操作が求められる下り坂で発生しやすいです。
山道を走るライダーなら一度は見たことがあると思いますが、細い道が膨らんだ所に待避所があります。
車とすれ違う時にどうしても自分のバイクより大きな車を優先してしまうため、下り坂でもブレーキをしてしまうのです。
また、車の通りが少ないとスピードを上げてしまい、急にスピードを落とすとブレーキをキャリパーに負担がかかります。