厄介なチェーンの伸び

チェーンの伸びとは

バイクのチェーンの伸びとは、チェーンにあるピンの減りのことです。
チェーンは常に張っている状態で、タイヤを動かすためにグルグルと高速で動いて摩擦が起きています。
その摩擦でピンの外側が削れてしまい、チェーンの距離が伸びてしまうのです。
ピンはチェーンをつなぐための穴の開いたプレートを固定する、いわば釘のような役割を果たします。

イメージで説明すると、まずは人差し指と親指をくっつけて、右手と左手で輪っかを1つずつ作ってください。
そしたら、作った輪っかを右手と左手で重ねます。

次に重ねた輪っかの間に入るサイズの物体を通して、右手と左手で引っ張ってみてください。
固定されているこの役割がピンです。今回はわかりやすいように、シャープペンシルを通したとしましょう。

続いて今度は、シャープペンシルの芯を代わりに入れて引っ張ってみてください。
折れないことを条件にすると、さっきのシャープペンシルより引っ張る距離が伸びていることがわかります。
これがチェーンの伸びであり、ピンの減りです。

チェーンが伸びると危険

チェーンが伸びていると、走行中にチェーンが外れてしまうことがあります。
最悪のケースだと後輪に絡み、走行困難で事故を起こしてしまうかもしれません。
そのためチェーンが伸びきる前に、確認が必要になります。

目安は走行距離1万kmから3万kmの場合、チェーンの伸びを確認した方がいいといわれていますが、月1の頻度が適切でしょう。
専門店に走行距離と使用頻度を相談すれば、明確な回答を得られるかもしれません。

メンテナンス方法

メンテナンス方法は覚えれば簡単ですが、慣れない最初は複雑で覚えにくいです。
まずはメンテナンススタンドを使用して、後輪を上げます。
メンテナンススタンドがなければ、メンテナンスローラーでも構いません。

次にバイクを固定するために、前輪ブレーキをかけます。
1人でメンテナンスするなら、結束バンドで固定したり、荷造りバンドで巻いたりするのがおすすめです。

最後に汚れたチェーンをクリーナーやブラシで清掃し、チェーンルブで注油すれば終了になります。
これで摩擦をやわらげ、ピンがすり減るのを防げるのです。
結果的にチェーンの伸びは改善され、気持ちのいい走行ができます。

最終的にはチェーン交換

チェーンが汚れ、ピンもすり減り、清掃や注油をしても効果が現れない場合は、チェーンを交換するしかありません。
さらなる専門工具や知識が必要になりますし、手が黒ずんで汚れてしまいます。
そのため、専門店に依頼してチェーンを交換する方がいいでしょう。

チェーン交換はおよそ3万円ですが、専門工具を取りそろえるお金と自己解決する時間コストを考えれば適当な価格です。
ついでにカスタマイズして愛車をグレードアップし、再び気持ちのいい走行をするのもいいのではないでしょうか。